農業ビジネス・副業農家入門
地方での就農を考えている人にとって、畑を持つことよりも大切なのが、人とのつながりです。特に、Uターン(地元出身)と違い、Iターン就農者はゼロからのスタート。「祖父の遺した畑だから、地元の人が助けてくれるだろう」──そう考えるのは危険です。 むし…
畑を見ていると、「この土、フカフカしてるな」と感じる瞬間があります。それは単に柔らかいというだけでなく、**植物がよく育つ“良い土”**であるサインです。その秘密は、「団粒構造(だんりゅうこうぞう)」という土の仕組みにあります。 ■ 「団粒構造」と…
厄介な虫トップ3 1. アブラムシ 野菜・果樹・花など、ほとんどの作物に発生する代表的害虫。植物の汁を吸って弱らせ、ウイルス病を媒介することもあります。繁殖力が非常に強く、温暖期には爆発的に増殖します。 2. コナガ アブラナ科(キャベツ・ブロッコリ…
2025年、全国の米づくりに新しい動きが見え始めています。政府が長年続けてきた「作付指標(さくつけしひょう)」――いわば米づくりの“目安表”が、今年見直しの時期を迎えました。 この記事では、新聞等で話題になった「米の作付指標見直し」をわかりやすく解…
■ はじめに:水が多いほど良い、は間違い 畑や水田で「水を切らさないように」という意識は大切ですが、過剰な水分は根の呼吸を奪い、病害の温床になります。特に近年は集中豪雨が増え、排水不良による根腐れ・立枯病・フザリウム病の発生リスクが高まってい…
野菜の価格は、天候や季節の影響を強く受けます。たとえば長雨や猛暑で生育が悪くなれば、出荷量が減って価格は上がります。逆に、天候が安定して豊作になると、供給が増えて価格は下がります。 市場の原理は単純です。供給が増えれば価格は下がり、減れば上…
【注意喚起】農作業事故の実態と予防策:年間236人、主因は機械の転倒と熱中症 日本の農業現場では、毎日「ヒヤリ・ハット」が起きています。令和5年(2023年)の 農作業中の死亡者は236人。うち62%が農業機械作業、機械・施設以外では 熱中症が最多でした…
地球温暖化の進行や人手不足が深刻化するなか、「一度の田植えで二度収穫できる」として注目を集めているのが、ひこばえ(再生二期作)です。この農法は、省力化だけでなく、SDGs(持続可能な開発目標)にも貢献する新しい稲作スタイルとして研究が進められ…
(出典:日本農業新聞 2025年10月1日付 経済リポ「現場と経営は両輪」/トヨタ生産方式改革プロ代表 山﨑謙二郎氏 談) 現場と経営は車の両輪 山﨑氏は「現場力と経営力は車の両輪のようなもの。両方がかみ合って初めて成長が加速する」と語っています。片方…
ネギは日本の食卓に欠かせない存在ですが、ただの薬味ではありません。免疫力を高める健康効果や、家庭菜園で他の作物と一緒に植えることで病気を防ぐ「コンパニオンプランツ」としての役割もあります。さらに、小ネギは根を残して収穫すれば、何度でも再生…
畑や家庭菜園に咲く花。実は「きれいな彩り」だけでなく、野菜を虫から守る役割を果たすことをご存じでしょうか?マリーゴールドやナスタチウムといった花は、見た目を楽しみながら害虫対策にもなる「コンパニオンプランツ」として注目されています。今回は…
農業経営に携わる人なら一度は耳にする「近代化資金」。これは、農業者が新しい設備や機械の導入、経営改善のために低利で利用できる公的融資制度です。特に、担い手農家や規模拡大を目指す人にとっては、資金繰りを支える大きな助けになります。 一方で、制…
はじめに 日本の稲作は「主食用米」だけでなく、「加工用米」や「飼料用米」など多用途に広がっています。食生活の変化で主食用米の需要は減少傾向にあり、農家にとっては交付金制度を活用した作付け転換が重要になっています。ここでは、用途別の特徴とメリ…
コンパニオンプランツとは 「コンパニオンプランツ(Companion Plants)」とは、一緒に植えることでお互いに良い影響を与える植物の組み合わせのことです。病害虫の抑制、成長促進、土壌改善などの効果が期待でき、家庭菜園や有機農業で注目される栽培テクニ…
農業経営において大切なのは「作る」ことだけではありません。どの販売ルートを選ぶかで、収益や安定性が大きく変わります。 本記事では、JA出荷・直売所・ネット販売を中心に、それぞれの特徴をデータと共に解説します。皆さんにとって最適な販路選びの参考…
卸売市場は今も野菜流通の中心 日本の国産野菜の約8割は、今もなお卸売市場を経由して消費者のもとに届いています。 直売所やネット販売が広がってきたとはいえ、依然として市場が主流です。 ではなぜ、多くの農家さんが市場を選んで出荷しているのでしょう…
近年、農業経営において「ブランディング」の重要性が高まっています。大規模農家だけでなく、小規模農家や新規就農者にとっても、自分たちの強みを伝えることが安定経営につながります。本記事では、農家のブランディングの基本と具体的な実践方法を解説し…
概算金(がいさんきん)とは? 定義:JA等が農家から米を集荷する際に先に支払う前払い金(仮渡金)。県ごとに全農県本部・経済連が目安(JA概算金)を決め、各JAが生産者への生産者概算金を設定します。販売後は経費を差し引き、残りを追加払いします。 委…
日本の農業はいま、かつてない変革期を迎えています。 高齢化・担い手不足・気候変動・資材高騰──こうした課題を解決する切り札として注目されているのがスマート農業(農業DX)です。 AI、ドローン、自動走行トラクターといった先端技術は、もはや「未来の…
いま起きていること:2025年4月に米国は輸入品に一律10%のベース関税を導入、国・品目別で追加上乗せを運用。対日交渉では一部品目で15%水準が明示された合意が成立(自動車中心/合意パッケージに農業も含まれる) 法的リスク:一連の「相互(reciprocal…
はじめに 近年、農家にとってSNS(ソーシャルメディア)による宣伝は欠かせない手段となっています。 直売所や市場だけに頼らず、消費者と直接つながることで、農産物の価値を伝え、ファンを増やすことが可能です。 本記事では「農業×SNS 宣伝」をテーマに、…
農業経営を続ける上で、**「野菜の価格安定制度」**は重要な仕組みです。その中心となるのが「指定野菜」と「特定野菜」。名前は似ていますが、制度の対象や支援内容には大きな違いがあります。 ここでは、農家の方に向けてポイントを整理して解説します。 …
農業補助金とは? 農業における補助金は、国や自治体が 生産性の向上・食料安定供給・担い手確保 を目的に用意している支援制度です。 中でも「トラクター・コンバイン・田植機」などの農業機械は導入費が高額なため、補助金対象となることが多い分野です。 …
はじめに せっかく大切に育てた野菜も、「販売につなげる導線」がなければ収益化は難しいものです。いまの時代、直売所や市場に出すだけでなく、SEOブログ×Instagramの活用で個人でも販路を広げられます。 この記事では、農家や家庭菜園からの販売を想定して…
農家がインスタを使うべき理由とは? 「農家がブランディングするなんて大規模農家だけの話でしょ?」 そう思う方もいるかもしれません。ですが今は、小さな農家こそインスタを活用する時代です。 理由はシンプル。 • 見た目で伝わる「鮮度」「美味しさ」「…
✅ はじめに 農業を始めたばかりの方にとって、「作物を育てる」ことと同じくらい大切なのが 発信力 です。 いまや 「農業 SNS」 と検索する人が増えており、特に X(旧Twitter) は農家にとって最も使いやすいプラットフォーム。 本記事では、農業初心者がX…
はじめに かつて農業の情報発信といえば、口コミや直売所、地域のネットワークが中心でした。 しかしいま、SNSの存在が農業の可能性を大きく広げています。 InstagramやX(旧Twitter)、YouTubeを使って「畑の様子」や「収穫の喜び」を発信する農家が増え、…
多くの農家さんを見ていて感じるのは、「規模拡大」に挑む人が多いということです。 もちろん、規模拡大は大切です。農業は天候や相場に左右されやすく不安定な産業。稼げる時にしっかり稼ぐことは、家族を守る上で重要です。 しかし――「考えなしの規模拡大…
【農業経営改善の鍵】データ比較で見える“ムダ費用”と改善策 公開日:2025/08/13 農業経営は、感覚だけで続けていると気づかぬうちに経費がかさみ、利益を圧迫します。本記事では、 「経営データの比較」で問題点を明確化し、改善につなげる方法を解説します…
農業に長く関わっていると、 「この人は残念ながらうまくいかないだろうな…」 と感じる農家さんに出会うことがあります。 理由はさまざまですが、私が強く感じるのは**「他責思考」**が大きな要因だということです。 他責思考とは? 「他責思考」とは、うま…