
野菜の価格は、天候や季節の影響を強く受けます。
たとえば長雨や猛暑で生育が悪くなれば、出荷量が減って価格は上がります。逆に、天候が安定して豊作になると、供給が増えて価格は下がります。
市場の原理は単純です。
供給が増えれば価格は下がり、減れば上がる。
そしてこれは、一時的な高騰や暴落を繰り返しながら、時間の中で均衡していくものです。
一見、ニュースでは「野菜が高騰」「キャベツが暴落」などと大きく取り上げられますが、実際にはその波をどう受け止めるかが大切です。
農業経営において重要なのは、“一時の価格”ではなく、“長期の平均”を見極めること。
たとえば、5年、10年というスパンで見たとき、
・平均単価はいくらで
・平均収量はどの程度か
・それを維持するためにどんな工夫が必要か
――この3点を見つめていくことで、価格変動に一喜一憂しない安定した経営が見えてきます。
「どの野菜がこれから上がるか?」を予測するのは、プロでも難しい。
けれど、「自分が作り続ける作物の平均を把握すること」は、誰にでもできる努力です。
それこそが、農業を長く続ける上での最大の武器になるのだと思います。