未来を耕す、農とお金のはなし

― 小さな畑と、家族と、未来のための経済の知恵 ―

落ち葉堆肥:古代から続くサステナブルな知恵

f:id:AsaForma:20251103221753j:image

秋になると舞い落ちる落ち葉。実はこれ、昔から農家にとって“宝”でした。化学肥料がない時代、人々は自然の循環を上手に利用して、落ち葉を堆肥として活かしていたのです。

■ 古くからの知恵とサステナブルな発想

日本では江戸時代より前から、山や林の落ち葉を集めて発酵させる「落ち葉堆肥」が作られていました。農村では「山の恵み」として、田畑の肥料や土壌改良材に使われてきました。現代で言う“サステナブル農業”の原点ともいえる考え方です。

落ち葉堆肥は、自然界の循環そのもの。落ち葉が分解されて土に戻り、植物を再び育てる。このサイクルは、環境負荷をかけずに地力を高める理想的な方法です。

■ 落ち葉堆肥の主なメリット

  • 土がふかふかになる:分解された有機物が団粒構造をつくり、通気性・保水性がアップ。

  • 微生物が活発に:落ち葉を分解する過程で、土中の微生物が増え、健全な土壌環境に。

  • コストゼロでエコ:材料は身近に落ちている落ち葉。お金をかけずに資源を再利用できる。

まさに、昔の人が知恵で生み出した“究極のリサイクル肥料”です。

■ 作り方(かんたん3ステップ)

  1. 落ち葉を集める
     広葉樹の落ち葉が理想。針葉樹は分解が遅いので少なめに。

  2. 水と米ぬかを混ぜて積む
     落ち葉を水で湿らせ、米ぬかを少量混ぜて発酵を促します。ビニール袋やコンポスト容器に入れてもOK。

  3. ときどきかき混ぜる
     1〜2か月ごとに切り返して空気を入れます。半年〜1年ほどで黒くてふかふかの堆肥に。

■ 現代農業にも通じる「自然と共生する発想」

化学肥料や輸入資材に頼らず、地域の資源で土を豊かにする。この考え方こそ、これからの時代に求められる“持続可能な農”の形です。

落ち葉堆肥は、昔の知恵を現代に活かすシンプルで力強い方法。手間はかかりますが、そのぶん土が応えてくれます。

 

👉「旬の野菜や家庭菜園の裏話はXで更新中 → @https://x.com/sakscsidea